ITでトマトの収量アップ!異業種から農業に参入した数少ない成功例。

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農家ヒストリー

「太陽農園」は奥松さんを代表とする宮崎県宮崎市にある農業生産法人。農業分野への事業拡大を目指す東京のIT企業(株)シーイーシーと、糖度8以上の甘いトマトを生産する農家として著名な「奥松農園」が共同で設立。IT技術を活用した先進的なトマト農園経営を目指している。宮崎県による「宮崎発・大地を活かす農商工連携ビジネスモデル創出事業」の第一号。

農家が抱える課題

作業工程の記録などIT活用の検証中。生産への集中が必要な状況のため、販路開拓をできる余力がない。また、商品を市場に出荷するもマーケットのニーズが把握できず、将来の見通しに不安感も。

クロスエイジの施策

1.アイコトマトをすべて買い取り。農家が生産集中できる環境に導く。

太陽農園にアイコトマトを作ってもらうよう働きかけ、その分はクロスエイジで買い取りをした。クロスエイジが直接商品を買い取ることで、農家が販売先や収益の確保に時間と労力を取られることなく生産に集中できるような環境に。買い取った商品はクロスエイジで流通先を見つけ販売を行った。

2.経済産業省の補助金も活用し、IT農業を軌道に乗せる体制づくりへ。

IT化をいち早く取り入れた三重県の先進農家を呼び、太陽農園の指導を依頼。指導を依頼した農家のコンサル費用は、クロスエイジが経済産業省から受けていた補助金の一部を使用。またクロスエイジで一部を負担するなどして、太陽農園がITを活用した経営ができるような基盤を構築。トマトの開花から毎日の平均気温を足していくことで収穫時期が予測できる積算温度やデータ管理など数値化経営を導入することで、太陽農園はトマトの収量と収量予測精度を向上させていった。

3.時流への適応も営業のコツ。トレンドの品種が売り込みの突破口となる。

その時のトマトのトレンドに合わせアイコトマトの次はミニトマトの生産を行うなど、奥松さんと話し合いながら作付けする品種を選定。オレンジと黄色のミニトマトを作ってもらうことで、スーパーに「ミニトマトバイキング」の提案を行うなど営業の取っ掛かりに。オレンジや黄色のミニトマトの取引をきっかけとして、メインで生産をする赤いトマトも取り扱ってもらえるようになるなど、出荷量も増えていった。

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プロデュース効果

IT農業が軌道に。平準化を可能にし販路先の信頼を得る。

トマトの味と質の良さをキープしながらの収量アップに成功。収量が増えたことで、市場とマッチした価格に設定することができ、所得が向上。また、IT管理による出荷予測の精度が上がったことで、収穫の平準化(年間を通した安定供給)が可能に。欠品など不安定要素の少ないことより、顧客から大きな信頼を得ることになった。

農家・青戸さんから見たクロスエイジの印象。

「若い方が多く、勢いを感じます。生産者にとってもっとも制御が難しいのが天候であり、収穫量が増減してしまい困るときもあります。そんなときにも調整力が非常に高く、助けてもらっています」

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