ベンチャー支援の仕掛人 株式会社アイ・ビー・ビー社長 廣田稔 × 未来を拓く社会起業家 株式会社クロスエイジ社長 藤野直人
ベンチャー支援の仕掛人 株式会社アイ・ビー・ビー社長

廣田稔氏

未来を拓く社会起業家 株式会社クロスエイジ社長

藤野直人

SPECIAL対談クロスエイジがIPOを目指す本当の理由

大学を卒業した翌年にクロスエイジを起ち上げた藤野。
会社のオフィスを探していた2005年に出会ったのが、福岡で起業支援事業を行う
株式会社アイ・ビー・ビーの廣田稔社長だった。

ibbのオフィスから移転した後も、上場を目指す経営者同士の勉強会「ibb社長塾」などの開催を通し、
クロスエイジと藤野の成長を見守り続けている廣田氏。

今回はそんな廣田氏と藤野が、初めて出会ったときの印象や、
クロスエイジが今後の目標のひとつとして掲げるIPOについて語り合った。

株式会社アイ・ビー・ビー社長 廣田稔氏

人と街が輝くことを使命とする
起業家支援の第一人者

「世界のブランド企業をフクオカから」をスローガンに2000年に株式会社アイ・ビー・ビーを設立し、起業家支援にいち早く乗り出す。

インキュベーションオフィスの提供の他、「起業家支援セミナー」や「ibb社長塾」、「ibb Biz Camp」など、企業の成長段階に応じた支援活動を多く展開。福岡を拠点としたIPO企業輩出に尽力し、活気あふれる福岡の街づくりに貢献している。

藤野とは月に1度ランチミーティングを行うなど、ビジネスに必要なハード・ソフト面だけでなく精神面でも、起業家・藤野の成長を後押ししてくれている。

株式会社クロスエイジ社長 藤野直人

「2020年上場」に向け、
確実な準備を続ける社会起業家

株式会社クロスエイジを立ち上げた頃よりIPOを目指し、2020年の上場を会社の目標とする。2005年の会社設立後に中小機構にオフィスの相談をしたところ、廣田社長が展開している民間インキュベーション施設「ibb fukuoka」を紹介され入居(約6年後に春日市へ移転)。

その後、株式会社アイ・ビー・ビーが開催する「ibb社長塾」に入会し、IPOについての知見を広げる。

「廣田社長は肯定的に見守るようなスタンスで、会社経営やIPOについて学べる環境を用意してくれている。それがありがたいですね」

「これまでに見てきた多くの起業家の中でも、
藤野君は違うなと感じていた」

廣田氏

藤野君と初めて出会ったのは、インキュベーションオフィスの面接のとき。当時まだ一般的じゃなかったパワーポイントで、事業計画書や資料をしっかり作り込んでいた。今でこそTPPと騒がれているけど、当時は農業分野への若い人の参入は少なかったから新鮮だったね。明確なビジョンと事業への強い想いを感じてオフィスへの入居が決まったんだよね。

藤野

オフィスへ入所した後に出資もして頂きました。学生時代に貯めた300万を資本金として始めたけど、事務所を借りたり産地に行ったりしたら、あっという間に無くなってしまって。オフィスを格安で借りられたこともそうですけど、廣田社長のところには自分より先に起業した先輩社長たちが集まってくるので、いろいろと話を訊ける環境がありがたかったですね。

廣田氏

藤野君を「他の人と違うな」と一番感じたのは、株主である我々に必ず各期ごとの決算報告をしてくれるところ。経営がうまくいかなくなると連絡をしてこない起業家も多い中、藤野君は良いときはもちろん、赤字のときも報告をしてくれる。そして、赤字になった理由と次の施策までちゃんと話をしてくれるんだね。そういうのが上場を目指す会社としては大切になる。

藤野

僕は単純にそうするのが当たり前のことだと思っていたんですよ(笑)。今日も前期の資料を持ってきたので、あとでご報告させて頂きます。

廣田氏

そういえば上場もするのが当たり前と思っていたと、言っていたよね。

藤野

世の中の企業はみんな上場を目指していると思っていましたから(笑)。会社を創ったときから、上場を目標のひとつにしていましたね。自分の場合、株価だとか損得だとかよりも、上場すること自体が楽しそうという想いがずっとあるんです。

「業界のトップランナーとして、福岡から
日本を代表するような存在になってほしい」

廣田氏

今は、コミュニティビジネスやソーシャルビジネスが多い。それも大切なことなんだろうけど、事業をやるからには規模を拡大し、業界のトップランナーとして福岡から日本を代表するような存在になってほしいという、私からの想いもずっと伝えていた。

藤野

社内の体制がうまくいかない時期には、上場することが本当にいいのか悩んだときもありました。だけど、廣田社長が「新しい分野で新しい存在としてクロスエイジがトップを張り続けるんだったら、上場してアドバルーンをあげるということは常に考え続けてほしい」と話をされていたので、それはずっと心にありましたね。

廣田氏

農業という事業はITベンチャーとは違って、急成長が難しい分野。それを藤野君は、生産地である農家さんのところへ足を運んで現場の話をしっかりと聞きながら、地に足をつけて一歩一歩進んでいっている感じがするよね。

藤野

僕は福岡証券取引所が開設するQボード(新興企業向けの株式市場)での上場を目指しているんですけど、そこでは地道に成長を続けていく企業が多いんですね。そんな風に、地元に根付いた企業がプライベートカンパニーで終わらず、公的な信頼性を持って地方の証券市場に集まることに意味があると思っています。

廣田氏

実際、IPOに向けた具体的な動きについてはどう考えているの?

藤野

2020年のIPO申請に向けて、今下半期からの監査法人との契約など準備するべきことは明確にしてあります。だけど、上場に向けて僕が一番考えなきゃいけないのは、会社の成長性や可能性の部分。投資家に成長期待を持ってもらうためには、九州の地域商社という立場だけでなく、事業を全国で展開していくことが必要になる。そのために、東北や中部地方に拠点を作っていくことですね。

廣田氏

そうだね、上場では将来性や成長性が一番問われるから。それを今、いかに見据えてやっていけるかがポイントだろうね。

持参した資料を見せながら、前期に行ったことや今期の方向性、社員の成長等について廣田社長に報告する藤野。

「農業にプラスの循環を持ち込みたい。
それが、クロスエイジが上場する意義となる」

藤野

ibb社長塾に5年間参加したおかげで、IPOへ申請しようというときに勉強を始めるのではなく、準備に向けてある程度どうすればいいのか状況をつかめるようになりました。その上で、上場で本当に大切となるのはビジネスモデルをちゃんと作ることなんだな、と。

廣田氏

クロスエイジにビジネスモデルがかたまってきたのは大きいよね。日本の将来のために、農業分野は発展していかなきゃいけないんだけど、農業分野の規制緩和や自由化が高まったときに、それに対応できるプレイヤーが果たして全国にどれくらいいるか。その中で、九州代表としてクロスエイジがいて、これまでの農業とは違うスタイルで農業の産業化に力を尽くすことが大切になってくる。

藤野

そこにまさしく、クロスエイジが上場する意義があると思っています。そもそも農業には魅力的なビジネスモデルがない。収益性が低いから補助金に頼る。すると経営システムができず、また補助金に頼る…という循環になってしまう。だから、クロスエイジで手掛けたカットネギのような収益性の高いビジネスモデルを作って「農業分野って面白いじゃないか」と、思ってもらえるようになる必要がある。そのために、まず自分たち自身が上場して、ビジネスモデルの魅力や収益性、投資に耐えうる経営システムをしめせたらと思っています。そうして、農業分野に良い循環を持ち込みたいんです。

廣田氏

だから、クロスエイジの成長が日本の成長なんだよね。日本の成長がクロスエイジにかかっているっていっても過言じゃないくらい。藤野君の右腕となる人材も育ちつつあるし、そうやって会社を成長させることが、日本の成長に繋がっていくんだと。そういう立場で、これからもぜひ頑張っていってもらいたいと思います。クロスエイジにビジネスモデルがかたまってきたのは大きいよね。日本の将来のために、農業分野は発展していかなきゃいけないんだけど、農業分野の規制緩和や自由化が高まったときに、それに対応できるプレイヤーが果たして全国にどれくらいいるか。その中で、九州代表としてクロスエイジがいて、これまでの農業とは違うスタイルで農業の産業化に力を尽くすことが大切になってくる。

藤野

ありがとうございます。

IPO・売上100億に向けてのクロスエイジ組織戦略

クロスエイジ組織戦略図