よくある商品「カットネギ」で生み出した、売上げ3億のスター農家。

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農家ヒストリー

福岡県八女市の春口さんが経営する青ネギ専門農家。元々はみかんを作るも価格が暴落したことからネギの生産に移行。始めは収穫したものをそのままスーパーへと出荷していたが、6次産業化法の認定を受けてカット工場を開設。業務用や青果用のカットネギを主商品としている。

農家が抱える課題

経営は安定しているがカットネギは新しく始めた商品であり、特長や強みも自分たちではわからない状況。

クロスエイジの施策

1.農家に「他と変わらん」と言われた商品。差別化で競合との差異を作り出す。

カットネギ自体は珍しい商品ではないことから、「春口農園」独自の強みをヒアリング。春口さんからは「他とは変わらん」と言われるも、特長を見つけ出し整理をしていった。ネギを買い付けて加工をする他の業者と違い、生産からカットまでを一括管理しているという『コスト競争力』や、畑で収穫したネギをすぐにカットして出荷するため可能となる『他商品よりも長い消費期限』、それに最新設備の工場が生み出す『輪の切り口のきれいさ』『品質の良さ』などを売りのポイントとして営業に。それにより、他の商品と変わらない価格で小売店にとってプラス要素を持つ春口農園の青果用カットネギが、スーパー等の量販店で多く取り扱ってもらえるようになった。

2.「どんな時期でもネギがほしい」。飲食店のニーズを読み取り提案へ。

春口農園がそれまでの出荷で培ってきた、安定した供給体制に着目。「カットネギでも安定した供給が可能」という裏付けをもとに、ネギを取り扱うラーメン専門店やうどん専門店に営業へ。季節や市場動向に左右されず、どんな時期でも安定した供給を得たい飲食店のニーズに入り込むことで、販路を増やしていった。

3.パッケージシールのデザインを変更し、思わず手に取りたくなる商品に。

パッケージシールデザインを従来のものより変更。春口さんの顔写真を起用した大きめのシールをパッケージに用いることで商品イメージを高め、消費者に売り場で手に取ってもらえるようにした。

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プロデュース効果

販売単価自体がアップ、1.5億円だった売り上げが倍に。

スーパーを始め飲食店など、多数の販路先を確保。特に、業務用よりも収益性の高い「青果用カットネギ」の販路が開拓できたことは販売単価自体をアップさせることになった。それによって畑の作付け面積を増やさずとも、1.5億円から倍の3億円へと売り上げを増やすことに成功。また、青ネギに特化した農家としてブランドを確立。クロスエイジが「理想の農家」として創出を目指す、“スター農家”を体現するモデルケースとなっている。

農家・春口さんから見たクロスエイジの印象。

「社員の一部みたい。『おーい、ちょっとあまったけん売って』ってね。自分がまったく知らないような流通先を新規開拓してくれて、売れる仕組みを作っていってくれる感じ。販促ツールを作るときは相手のどこに響くかを一緒に考えたりするしね。一方的に提案されるんじゃない、一緒に作り上げていく感じよ」

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